第289章

正直に言えば、ナディアのことは嫌いじゃなかった。本当に、嫌いではなかった。彼女がヘンリーを追いかけるのだって、別に構わないと思っていた。

むしろ、彼の気をうまく引けたらいいと心から願っていたくらいだ。彼女が彼の心を射止めてくれさえすれば、私はようやくあの男の執着から逃れられる。二度と顔を合わせずに済む。

だが、勤務時間中に――しかも私の目の前で――あれほど恥知らずに彼に媚びる様子を見せつけられては話が違う。あれは完全に職務の範囲を逸脱していた。越えてはいけない一線を越えている。

勤務中に職業倫理を投げ捨て、体を見せつけて患者を誘惑しようとする医療従事者がどこにいる? 不適切にもほどがある...

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